「検出下限値」あるいは、「検出限界」という言い方もします。ある条件のもとで、その装置が、「その物質がどの程度あれば『ある』と認識できるか」の値です。計算上は、試料の量(多いほど下限値が低くなる)、重さ(密度、重いほど下限値は低くなる)、測定時間(長いほど下限値は低くなる)、バックグラウンド(低いほど下限値は低くなる)などから求められますが、実際には、極端に大きいピークや、近い位置のピークがあらわれた場合(食品で言うとカリウム、土壌で言うとウラン系列の物質など)誤検出が生じることもありますので、測定員が注意深くスペクトルを確認する必要があります。「測定下限値以下」と言われた場合は、「すくなくともその値の量は、出ていない」と解釈できます。