はかるーむ

町田市玉川学園にある放射能市民測定室です。

TEL.042-814-9102

〒194-0041 東京都町田市玉川学園7-12-26

実験室レポート

NaIシンチレーション型検出器による土壌の測定

【緒言】

現在多くの検査機関で、食品などに含まれる放射性セシウム(Cs)の検出のために使われている測定装置の検出器は、放射性物質からのガンマ(γ)線を検出するもので、大きく分けて2種類のものがあります。

 

1つは、Ge(ゲルマニウム)半導体検出器と呼ばれるもので、これは、エネルギー分解能(それぞれ異なるエネルギーの放射線を出す放射性物質の放射線を正確に分離・検出できる)が高く、そのため定性精度(「何」があるか)、定量精度(「どれくらい」あるか)ともに優れています。扱いが大変なことと、高価であることから、一般には大学、研究機関、企業などで使われています。

 

もう1つがNaI(ヨウ化ナトリウム)または、NaI(Tl)シンチレーション型検出器と呼ばれるもので、こちらは、サイズも小さく、比較的安価、取り扱いも容易であることから、多くの市民測定室に導入されています。エネルギー分解能は、Ge半導体検出器と比較すると低いですが、感度が高く比較的短時間で測定することができます。

(詳しい原理・機構などに関しては、専門の文献やサイトをご覧ください。又、放射性物質の分析方法がこの2種の検出器によるものに限られる、と言う意味ではありません。)

 

多くの食品は、今回関心の高いCs-137(661.64keV)やCs-134(604.66keV, 795.76keV EMF211では、後者を用いて定量)と近いエネルギー値の放射線を出す放射性物質を含まないので、NaI(Tl)シンチレーション型検出器でも比較的精度高く測定を行うことができます。

 

一方、土壌などの中には、天然物質として存在するウラン系列やトリウム系列などの放射性物質(これらを、天然核種と呼びます)が含まれ、非常に広いエネルギー範囲にわたって多くの放射線を放出しています。そのため、スペクトルも複雑になり、エネルギー分解能の低いNaI(Tl)シンチレーション型検出器では正確な測定を行うことが困難であると言われています。

 

それでも、自宅の周り、幼稚園、保育園や学校、畑などの土壌の汚染の度合いを知りたいというニーズは多く、市民測定室でもある程度の土壌の測定をすることが求められています。

 

今回、土壌を測定する上で、NaI(Tl)シンチレーション型検出器を用いた場合、どのようなスペクトルを示した場合には、どの程度の精度で、セシウムの存在を言及することが出来るか、ということを知るために、EMFジャパン株式会社様のご協力も得ながら、幾種類かの土壌の測定と解析を行ったので報告いたします。

【目的】

町田放射能市民測定室「はかるーむ」にて所有のEMF211を用いて土壌を測定した場合、どのようなスペクトルを示したときには、どの程度の精度で、放射性セシウム濃度について言及することが出来るかを知ること。

【サンプル】

(A) 神奈川県/葉山・海岸砂

(B) 兵庫県/沼島(南淡路)・海岸砂

(C) 東京都/町田市・土壌

(D) 東京都/町田市・落ち葉

(E)  山梨県/北杜市・土壌

 

【使用装置】

NaI(Tl)シンチレーション型検出器:

EMF製 EMF211型 ガンマ線スペクトロメータ ver.4

 

Ge半導体型検出器:

キャンベラ社製 Ge半導体検出器 GC2520-7500SL-2002CSL

 

【実験方法】

 

(1)  サンプルに示した5種の土壌を含む、11種類の土壌それぞれの1リットルの測定をNaI(Tl)シンチレーション型検出器の装置を用いて行います(30分測定)。

 

(2)  それぞれのスペクトルを比較し、よく似たスペクトル同士に分け、それぞれの代表として、サンプル(A)~(E)を選出します。

 

(3)  サンプル(A)~(E)の測定をGe半導体検出器の装置を用いて行います(EMFジャパン様による)。

 

(4)  Ge半導体検出器により得られたスペクトルを解析し、ウラン系列およびトリウム系列に分離します。

 

(5)  得られた分離スペクトルと、定量値より、考察を行います。

 

【結果および考察】

まず、図1および図2にウラン系列、およびトリウム系列の壊変系列図を示します。

 

図1 ウランの壊変系列図

(日本アイソトープ協会 アイソトープ手帳より)

http://www.rist.or.jp/atomica/data/pict/08/08010312/07.gif

 

図2 トリウムの壊変系列図

(日本アイソトープ協会 アイソトープ手帳より)

http://www.rist.or.jp/atomica/data/pict/08/08010312/08.gif

 

これらの図より、それぞれの系列の核種と、それらが崩壊する際に放出する放射線のエネルギー値がわかりますので、これを元に今後のデータ解析を行っていきます。

 

図3に、葉山の海岸砂をNaI(Tl)シンチレーション型検出器で測定し、EMF211から打ち出されてきたスペクトルを示します。EMF211では、スペクトルは、あらかじめ測定したバックグラウンドを差し引いた差スペクトルとして出てきます。Cs-137, Cs-134とも、検出下限値以下とされています。

 

図3 EMF211による葉山・海岸砂の放射能測定スペクトル

 

図4に、同じサンプルをGe半導体検出器で測定し、GC2520 から打ち出されてきたスペクトルを示します。エネルギー分解能が高いため、図3よりはるかに鋭いピークとしてそれぞれのエネルギー値での放射線量が検出されていることがわかります。

 

図4  GC2520による葉山・海岸砂の放射能測定スペクトル

 

図3および図4で得られたデータの数値を取り出し、EXCELを用いて重ね描きしたスペクトルを図5に示します。

 

図5 葉山・海岸砂の放射能測定スペクトル– 検出器による比較

 

さらに、壊変系列図をもとにGe検出器のスペクトルピークを指標付けし、ウラン系列(赤)とトリウム系列(緑)に分離して重ね合わせたものを図6に示します。

 

図6 葉山・海岸砂の放射能測定スペクトル– 検出器による比較と壊変系列による分離

 

図6をより見やすくしたものが図7です。

 

図7 葉山・海岸砂の放射能測定スペクトル– 壊変系列による分離

 

天然核種由来の放射線ピークは、どれもCs-137 あるいはCs-134 のピークと重なっておらず、これらの定量値を阻害していないことがわかります。

 

次に、兵庫県南あわじ市の沼島(ぬしま)の海岸砂の測定結果について、同様に示していきます。沼島は、瀬戸内海淡路島の南4.6kmにある島で(図8)、福島第一原子力発電所の事故から受けた影響はきわめて低いものと考えられます。

 

図8 兵庫県南あわじ市の地図

 

葉山の海岸砂と同様にデータ解析していった結果を図9~13に示します。図9より、沼島の海岸砂は、地理的にかなり離れてはいるものの、葉山の海岸砂(図3)と極めて近い放射能測定スペクトルを示すことがわかります。

 

図9 EMF211による沼島・海岸砂の放射能測定スペクトル

 

図10  GC2520による沼島・海岸砂の放射能測定スペクトル

 

図11 沼島・海岸砂の放射能測定スペクトル– 検出器による比較

 

図12 沼島・海岸砂の放射能測定スペクトル– 検出器による比較と壊変系列による分離

 

図13 沼島・海岸砂の放射能測定スペクトル– 壊変系列による分離

 

葉山および沼島の海岸砂について、それぞれの放射能測定スペクトル(Ge)を壊変系列ごとに分離したものを比較したものを図14に示します。

 

図14 葉山および沼島の海岸砂の放射能測定スペクトルの比較

 

NaI(Tl)シンチレーション型検出器からのスペクトルも類似していましたが、さらに詳細に分離することで、これらのパターンが非常に似ていることが明らかになりました。また、前述の通り、今回関心のあるCs-134 およびCs-137 の定量値に影響を与える位置にはピークが見られないことも明確であり、同様のスペクトルパターンが見られた場合には、NaI(Tl)シンチレーション型検出器による測定であっても、食品と同等レベルの精度で定量が行えるものと考えられます。

 

次に、東京都町田市の土壌、同じ場所で取れた落ち葉、そして山梨県北杜市の土壌について同様のデータを図15~26に示します。

 

図15 EMF211による町田市土壌の放射能測定スペクトル

図16  GC2520による町田市土壌の放射能測定スペクトル

 

図17 町田市土壌の放射能測定スペクトル– 検出器による比較

 

図18 町田市土壌の放射能測定スペクトル–検出器による比較と壊変系列による分離

町田市の土壌に関しては、NaI(Tl)シンチレーション型検出器の定量値は、Ge半導体検出器の定量値よりおよそ7%高く見積もられました。

(「はかるーむ」所有のEMF211は、常に定量値が高めに出る傾向にありますので、通常の傾向と近いです。)

 

図19 EMF211による町田市落ち葉の放射能測定スペクトル

図20  GC2520による町田市落ち葉の放射能測定スペクトル

 

図21 町田市落ち葉の放射能測定スペクトル– 検出器による比較

 

図22 町田市落ち葉の放射能測定スペクトル–検出器による比較と壊変系列による分離

町田市の落ち葉に関しては、NaI(Tl)シンチレーション型検出器の定量値は、Ge半導体検出器の定量値よりおよそ10%高く見積もられました。

(「はかるーむ」所有のEMF211は、常に定量値が高めに出る傾向にありますので、通常の傾向と近いです。)

 

図23 EMF211による北杜市土壌の放射能測定スペクトル

図24  GC2520による北杜市土壌の放射能測定スペクトル

図25 北杜市土壌の放射能測定スペクトル– 検出器による比較

図26 北杜市土壌の放射能測定スペクトル–検出器による比較と壊変系列による分離

北杜市の土壌に関しては、NaI(Tl)シンチレーション型検出器の定量値は、Ge半導体検出器の定量値よりCs-137においておよそ12%高く、Cs-134においておよそ12%低く見積もられました。

 

次に、図27に、3つのサンプルのウラン系列に由来するピークのみを抽出したスペクトルを比較して示します。

 

図27 町田市土壌、落ち葉、北杜市土壌のウラン系列スペクトル比較

 

絶対値の大小はあるものの、スペクトルパターンとしては非常に類似していることがわかります。これはさらに、前述の海岸砂から抽出したウラン系列のスペクトルとも類似しています。

少なくとも今回測定を行った、地域も土質も異なる5種類の土壌から得られたスペクトルの中でウランの壊変系列に由来するスペクトルは大きく異ならず、また、Csの定量値に影響するようなものもないということが明らかとなりました。

 

次に、図28に、3つのサンプルのトリウム系列に由来するピークのみを抽出したスペクトルを比較して示します。

 

図28 町田市土壌、落ち葉、北杜市土壌のトリウム系列スペクトル比較

 

○で囲った、Pb-212(238.63keV)とAc-228(835.60keV)のピーク高の比率が異なり、土壌中のこれらの成分の比率が異なることが示唆されます。これは、地殻変動などによるものと考えられます。

さらには、Ac-228のピークが大きい場合に、エネルギー分解能の低いNaI(Tl)シンチレーション型検出器では、Cs-134(795.76keV)のピークに干渉し、定量値に影響を与える可能性を否定できません。

北杜市の土壌の測定において、Cs-134の値が低く出ていたのは、Ac-228の影響でCs-134近辺のベースラインが高く見積もられてしまったためと考えられます。

 

このようなことが起きているか否かを知る方法としては、

1)同じトリウム系列のPb-212(238.63keV)がピークとして出ているか確認する。

2)Cs-134/137の存在比率が、2011年3月の原子力発電所事故当時から換算して理論的な値となっているかを確認する。

の2つの方法が挙げられます。もちろん、1)に関しては、先に述べたように、土壌によってAc-228との存在比率が異なる可能性がありますから、残念ながら定量をする際の補正値として用いることはできません。

 

これらのことに気をつけた上で、大きく逸脱するようでなければ、EMF211型 ガンマ線スペクトロメータ(NaI(Tl)シンチレーション型検出器)を用いて土壌を±20%程度の精度で定量することに、問題はないのではないかと考えます。

【結論】

以上の測定、データ解析結果から、以下のことが言えると考えられます。

 

(1)   葉山と、淡路の砂を測定したところ、両者はスペクトルパターンが似ており、定量に用いているCsピークと重なるピークはないことから、これらのCs濃度の定量値は、かなり正確に出せるものと考えられる。同じようなスペクトルパターンを持つ海岸砂に関しては、NaI(Tl)シンチレーション型検出器を用いても食品と同等程度の精度で定量を行える。

 

(2)   同様に、サンプル(C)やサンプル(D)のようなスペクトルパターンを示すような土壌の場合にも、NaI(Tl)シンチレーション型検出器を用いて比較的精度高く定量を行える。

 

(3)   土壌の中に含まれるウラニウム系列の放射性元素比率は、ほとんど変わらず、さらにCs定量に影響を与えるものはほとんどない。

 

(4)   一方で、トリウム系列の放射性元素比率は、特にPb-212(238.6keV)と、Ac-228(795.0keV)で大きく異なる場合がある。

 

(5)   Ac-228 は、Cs-134 の定量値に影響するので、注意が必要。具体的には、NaI(Tl)シンチレーション型検出器のスペクトル上でPb-212(238.63keV)が見られるときは要注意(スペクトル比がばらつくため一定の換算はできない)。

 

(6)   とはいえ、今回の測定結果(5種類)からは、Cs-134, Cs-137定量値は、ずれたとしても10%程度(max 11.8%)。Cs-134/137比率に着目していれば、大きく間違うことはない。

 

(7)   装置の精度とあわせると、土壌の定量は、ざっくり±20%では行うことが出来ると考える。土壌は、食品と異なり粉塵として呼吸器系に入る以外は、直接口に入るものではないことから、この程度の精度でも充分であると考えられる。

 

(8)   ただし今回精査したのは、5種類の土壌に留まっているため、常にスペクトルパターンには注意を払い、大きく異なるようなものの場合には、Ge半導体検出器の測定装置で再測定を行う必要がある。

 

以上を踏まえ、町田放射能市民測定室「はかるーむ」では、土壌の解析結果からは、有効数字2桁のみ公表させていただくことを決めました。またデータをご覧になっていただくみなさまにも、およそ20%前後の誤差を含む可能性がある、と言うことをご承知おきの上データをご覧になっていただければ幸いです。

 

※ なお、全ての測定は、2013年6月~8月頃に行ったものです。

 

【謝辞】

 

Ge半導体検出器 GC2520による測定は、全てEMFジャパン様によるものです。ここに謹んで御礼申し上げます。

 

測定:瀬尾・桜井・黒津

 

2014年2月 足立百恵 記

はなかつお(かつお節)の測定

≪はなかつお(かつお節)の測定≫

【目的】

一般的に入手できる「花かつお(トップバリュ インドネシア産 2013年2月)」のCs含有量を知ると共に、密度の低いサンプルの扱いに慣れること。

 

【サンプル】

「花かつお」(トップバリュ)

原材料 かつおぶし(インドネシア)

製造年月日 2013年2月19日

製造番号 不明

 

【使用装置】

EMF211型 ガンマ線スペクトロメータ ver.4

 

【実験方法】

(1)        袋から取り出したのばかりの花かつお(乾燥前)を1800mlマリネリ容器の1000mlラインまで詰め、重さを計る。

(2)        1時間のベクレル測定を行う。

(3)        あらかじめ重さを計った花かつおを、ホットプレートを用いてゆっくり加熱乾燥させる。

(4)        乾燥させた花かつおをミルを用いて粉砕し、重さを計る(乾燥・粉砕後質量)。

(5)        乾燥・粉砕後のかつお節を、1800mlマリネリ容器の1000ml部分まで詰め、重さを計る。

(6)        1時間および4時間のベクレル測定を行う。

 

【結果および考察】

※  それぞれの語句の説明は、こちらをご覧ください。

 こちらは、袋から取り出した状態の花かつお100gの写真です。ふんわりと置いた体積は、およそ2500cm3(ml)です。(目盛全長は、30cm)

 

同じ量を乾燥・粉砕させるとこのようになりました。ふんわり置いた体積は、およそ150cm3(ml)です。

 

100gの花かつおの、乾燥・粉砕前後の体積と質量は、表1のようになり、乾燥・粉砕することで、質量にして83%、体積(きっちり充填させた場合)にして43%となることがわかりました。

 

表1 100gの花かつお乾燥・粉砕前後の体積および質量変化

開封直後でも、よく乾燥しているかのように見えるかつお節ですが、20%近く水分を含んでいることが明らかになりました。乾燥させることで粉砕も容易になり、マリネリ容器への充填量を2倍以上に増加させることができました。

 

袋から取り出したばかりの(乾燥・粉砕前)花かつおの1時間測定結果を図1に示します。

 

図1 乾燥・粉砕前の花かつおの放射能測定スペクトル(1時間)

 

充填密度が低いため、ベースラインが不安定で(ギザギザしています)、Cs-134および137のエネルギー値のピークの有無が定かではありません。

 

 

乾燥・粉砕後の花かつおの1時間測定結果を図2に示します。

 

図2 乾燥・粉砕後の花かつおの放射能測定スペクトル(1時間)

 

カウントレート(同じ時間測定し、どれだけ効率よく信号が得られるか)が向上し、K-40コンプトン散乱によるスペクトル変化(およそ1200keV以下のベースラインの盛り上がり)も確認されますが、ベースラインは、未だ不安定です(ギザギザしています)。

 

同じものを4時間測定した結果を図3に示します。

 

図3 乾燥・粉砕後の花かつお放射能測定スペクトル(4時間)

 

ベースラインの形状はかなりきれいになり(ギザギザか細かくなり)、K-40のコンプトン効果も見られます。Cs-134および137のエネルギー位置に、明確なピークは見られません。装置の検出下限未満です。乾燥・粉砕した花かつおの質量は、もとの質量の83%になっていますから、今回測定した花かつおに含まれるCs-134とCs-137は、乾燥前の質量に換算して、それぞれ装置検出下限の0.6Bq/kgおよび0.8Bq/kg未満であるということがわかりました。

 

なお、この実験を行うにあたり、座間放射能測定室 稲垣さまに多くのアドバイスを頂きました。感謝いたします。

 

※  この測定で得られる数値は、機器の特性や環境に影響される曖昧さを含んだもので、絶対値ではありません。あくまでも参考値としてご利用ください。また、他の製品、他のロットのかつお節のCs濃度を保証するものではありません。

 

足立百恵 記

 

 

柿による低濃度測定

柿(6個)をフードプロセッサーにて処理。可食部のみとへた・皮入りの結果はほぼ同じであったので、グラフでは混在している。
測定:瀬尾・桜井・大林・足立

Csが低濃度の場合は、特にスペクトルを詳細に見る必要がある。Cs-134は、「不検出」になる可能性もあるため、数値を鵜呑みにできない。場合によっては、Cs-137の値からの計算も必要となる。1000mlのサンプルの場合、1800mlマリネリ容器に入れ、できれば4h程度(可能であれば終夜)測定することが望ましい。
2012年11月22日 足立百恵 記

福島かぼちゃを用いた測定-切り方・容器依存性

sample



スライス:かぼちゃ1個分を厚さ2-3mm、半分切り。
フープロ:スライスと全く同じものをフードプロセッサー処理。体積が減ったため、1800mlマリネリ容器突起部の上部(検出器上方)には、試料が乗っていない状態に。同じものを900mlマリネリに入れたところぴったり500mlに。
測定:桜井・瀬尾・佐野・大林

スライスした試料では、ピークが明確に出ていないこと、(数値上の)定量でCs-134と137の比率の逆転が起きていることから、信頼性が低いものと考える。フードプロセッサー処理が推奨される。試料量が500mlの場合、900mlマリネリ容器より、1800mlマリネリに入れた方が信頼性の高い値が得られる。検出器への接触面積がより広いためと考えられる。
その他、ベースラインの件は、EMFJに問い合わせ中。

2012年11月21日 足立百恵 記

玄米を用いた容器依存性と時間依存性の検証


測定時間30分で、15Bq/kg程度(福島にて測定時は、11Bq/kgの値)の測定値が出る検体に関しては、充分に信頼性のあるデータを得るには、1800mlマリネリ容器(1000ml充填)を用いる必要がある。
2012/11/11-12 足立 測定

 

15Bq/kg程度(福島にて測定時は、11Bq/kgの値)の測定値が出る検体を350mlポリ容器で測定する場合には、4時間測定すれば、なんとか信頼に値するデータが得られる。しかしながら、サンプル量が得られるのであれば、より大きなマリネリ容器を使用することが推奨される。
2012/11/12-16 足立 測定